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使用するPVD プロセスに最適な電源装置を選択する
2008年第2四半期の『フラットパネル・フォーカス』(Flat Panel Focus®)ニュースレターでは、電源装置の選択について実践的なガイドラインを提供します。『スパッタ・スポットライト』(Sputter Spotlight®)2007年第1四半期号の記事をより詳しく説明しながら、ある種のターゲット材料と薄膜組成に関するアドバイスを提供します。
電源装置の選択は、一種の技術であると同時に科学です。お客様のアプリケーションに適した装置を判定するプロセスでは、ターゲット材料、プロセス反応、カソード設計などの数々の要因を考慮に入れる必要があります。そのためには、スパッタリングレート、薄膜特性、その他の要因に関する特定の性能基準も考慮に入れなければなりません。
そうはいっても、ある種のプロセスおよび(または)材料においては、取りうる選択肢はかなり限られてくるので、電源装置の選択は比較的単純な問題です。たとえば、二酸化ケイ素(SiO2)結晶には、RF電源が実行可能な唯一の選択肢となります。同様に、デュアルカソードプロセスを実現するために専用のAC電源装置が開発されていますが、そのアプリケーションでは、つねにこれが最適な選択肢となります。交流電源を使えば、アノードとカソードの役割を交代させることができますので、アノードの表面は半周期ごとにクリーニングされます。このように定期的なクリーニングが行われることによって、電気的に絶縁性のある薄膜がやがて基板その他のチャンバ部品を覆い、電流の流れを遮断してプラズマを消してしまうアノード消失の問題を防ぐことができます.
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ある種のプロセスおよび(または)材料においては、取りうる選択肢はかなり限られてくるので、電源装置の選択は比較的単純な問題です。しかし、酸化スズ(SnO2)や二酸化ケイ素(SiO2)などのある種の材料を使う場合は、プロセス電源の選択の幅が広がります。
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しかし、酸化スズ(SnO2)や二酸化ケイ素(SiO2)などのある種の材料を使う場合は、プロセス電源の選択の幅が広がります。二酸化ケイ素を使う場合は、パルスDC電源、AC電源、RF電源が選択肢に含まれます。お客様がプライオリティをどこに置くかによって、どの電源装置を選ぶべきかが決まります。一般に、二酸化ケイ素膜を成長させるには、パルスDC電源を使うとスパッタリングレートは最も高くなりますが、その場合は、他の電源装置を使う場合に比べてプロセス安定性の低下を招くおそれがあります。また、アノード消失問題が発生する可能性も生じます。AC電源を使って二酸化ケイ素膜を成長させようとすると、スパッタリングレートは多少犠牲になりますが、アノード消失の問題は解決できます。結局、RF電源を使うことによって、アノード消失の問題を免れると同時に、あらゆる選択肢の中で最高の薄膜品質を生み出すことができます。RF電源の最大の弱点は、スパッタリングレートが低いことです。それでも、お客様のアプリケーションで薄膜品質が絶対条件であれば、RF電源が最善の選択肢でしょう。
一般に、ターゲット材料の導電性が低下するにつれて、推奨されるプロセス電源タイプの周波数は高くなります。つまり、絶縁性が非常に高い材料を使ったプロセスは、RF電源のような周波数が高い電源を使うと最もうまくいく傾向があるのに対し、導電性の高い材料を使ったプロセスは、よくDC電源やパルスDC電源と組み合わされます。
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前述した通り、電源装置の選択にあたっては、スパッタリングレート、薄膜特性その他の要因に関するある種のプライオリティを考慮に入れなければなりません。また、カソードの設計、(ローテイタブル/プレーナ、シングル/デュアルの別)、プロセス反応、ターゲット材料などの要素も考慮に入れる必要があります。一般に、ターゲット材料の導電性が低下するにつれて、推奨されるプロセス電源タイプの周波数は高くなります。つまり、絶縁性が非常に高い材料を使ったプロセスは、RF電源のような周波数が高い電源を使うと最もうまくいく傾向があるのに対し、導電性の高い材料を使ったプロセスは、よくDC電源やパルスDC電源と組み合わされます。
電源装置の選択にあたっては、ターゲット材料の導電性と同様に、成長する薄膜材料の導電性も考慮に入れなければならないので注意してください。導電性の高いターゲット材料を使ったプロセスではふつう、アノード消失の問題は起こりません。しかし、ある種の反応性アプリケーションにおいては、使用するターゲット材料に導電性があっても、電気的絶縁性を持つ薄膜が成長することがあり、その結果、アノードが絶縁材料で覆われる可能性が生じます。この場合は、アノード消失問題の回避がその製造作業の成功にとって不可欠であるという前提条件に立てば、AC電源装置を使ったデュアルカソードプロセスが最適な選択肢となります。
お客様のプロセスに適した電源装置の選択について助言が必要な方は、どうぞお気軽に当方までご連絡ください。
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Bruce FriesとKen Naumanがお客様の難しい問題にお答えします。ご意見またはご質問がありましたら、電子メールでお送りください(宛先: FPDapplications@aei.com)。Ken Naumanに直接連絡なさりたい方は、電話(+1.970.214.6280)または電子メール(Ken.Nauman@aei.com)でご連絡ください
- 『フラットパネル・フォーカス』2007年第4四半期号でCEX(位相同期)について説明していました。正確にいうと、これは何のためのものですか。
- AC電源装置にはCEX機能を搭載しているものとそうでないものがありますが、その理由は何ですか?
- 私の電源装置にはCEXが搭載されています。適切な設定方法を教えてください。
- 私の電源装置ではセットポイントに達しません。その原因と対策を教えてください。
- 『フラットパネル・フォーカス』2007年第4四半期号でCEX(位相同期)について説明していました。正確にいうと、これは何のためのものですか。
答: CEXはcommon exciter oscillator(共通励磁発振装置)を略したもので、同一チャンバ内の複数の電極またはカソードに接続された複数の電源装置の接続に使われます。CEXを使うことによって、プラズマを効率よく抑制し、電極間またはカソード間のクロストークによって効果が低減する可能性を緩和することができます。このようなクロストークは、ターゲットの損傷、基板のアーク発生、もしくは基板の損傷を引き起こす可能性があります。また、結果的に電源装置に損傷を与える可能性もあります。さらに、望ましい電源レベルへの到達を阻み、スループットを低下させることもあります。
フラットパネルディスプレイ(FPD)や建築用ガラスの製造によく使われるほか、ソーラーPVアプリケーションでさらによく使われている大型基板の製造では、チャンバひとつで1ダース以上のカソードが必要になることもあります。これらをすべてチャンバひとつに収めるには、カソード間の間隔を狭くする必要があります。PEII電源装置のCEXのような機能を使って間隔の狭いターゲット同士をうまく同期させないと、電位差が発生して相互に干渉する原因となります。この干渉がクロストークと呼ばれるもので、前述したようにプロセス、薄膜、装置に重大な問題を引き起こすおそれがあります。
PEII低周波電源装置のユニークなCEX機能の利用に関する説明は、当社発行のアプリケーションノート「インライン・スパッタリング・システムの強化型プラズマ抑制」(Enhanced Plasma Containment for Inline Sputtering Systems)をご覧になって、プロセス制御、薄膜品質、アップタイムを大幅に改善する交流カソード構成を工夫してください。
- AC電源装置にはCEX機能を搭載しているものとそうでないものがありますが、その理由は何ですか?
答: AC電源装置には周波数固定型と可変型があります。CEXを使って複数のAC電源装置を同期させるには、それらの電源装置の出力周波数はすべて等しくなければなりません。したがって、AE製PEII電源装置のような固定周波数AC電源装置であれば、CEXはとても簡単に利用できます。しかし、AE製Crystal®電源装置のように可変周波数AC電源装置を使う場合、その出力周波数は負荷インピーダンスによって決まり、さらにプロセス条件によっても変わってきます。つまり、チャンバ内の各電源装置に固有のインピーダンスによりそれぞれ個別に周波数が決まる可能性があります。そのため、CEXまたはそれ以外の位相同期機能を使って複数の可変周波数電源装置を同期させるのは、この場合は当然ながら不可能です。
CEXが持つ利点は、周波数固定AC電源を使うプロセスに限られないので注意してください。Pinnacle® Plus+パルスDC電源は、Pulsar®およびSparc-le® V DCパルシングアクセサリと同様に、CEXを搭載して複数のパルスDC電源の出力を同期させることができます。これによって、AC電源装置について前述したように、パルスDC電源でもプラズマ抑制とクロストーク緩和の効果をもたらすことができます。CEXはこのほか、一部のAE製RF電源装置でもご利用いただけます。
- 私の電源装置にはCEXが搭載されています。適切な設定方法を教えてください
答: CEXの設定は下図のように、ひとつの装置のCEX/ドライブ出力ポートから別の装置のCEX/ドライブ入力ポートに接続するだけで簡単にできます。ただし、最後の装置のCEX/ドライブ出力コネクタにはCEX終端プラグを挿入する必要があります。
下の図は、CEX設備に適切に接続された複数のPEII電源装置のバックパネルを示しています。詳しくはお手元の電源装置付属のユーザーマニュアルをご覧ください。または、当方にお問い合わせいただければ、お客様独自のシステムに適したCEX設定に関するご質問にお答えします。また、CEXの利点および設定について詳しくは、当社発行のアプリケーションノート「インライン・スパッタリング・システムの強化型プラズマ抑制」(Enhanced Plasma Containment for Inline Sputtering Systems)も併せてご覧ください。

図1. 接続されたPEII 電源装置に適したCEX設定
- 私の電源装置ではセットポイントに達しません。その原因と対策を教えてください。
答: 統合型のシステムでは、供給電源がセットポイントを下回ると警告が出ますが、実験室内では、これが実際に成長薄膜を薄くする原因となります。お客様のシステムで発生している電源供給上の問題の原因はいくつか考えられます。第一に、お客様の電源装置で生じたインピーダンス不整合が原因で電圧または電流が制限され、必要な電源が供給できていない可能性が考えられます。その解決策は、お客様のニーズにもっと適した電源装置を探すことです。この問題をできる限り抑制するために、AE製電源装置はインピーダンス範囲を極めて広く取ってあります。また、Pinnacle Plus+ DC/パルスDC電源装置のように、機種によっては個々のお客様のニーズに合わせた特定のインピーダンス構成を提供し、high-Zまたはlow-Z構成で利用できます。
もうひとつ考えられる可能性は、お客様が設定されたアークレートが高すぎることです。アークを消去するために、電源装置は電源をごく短時間遮断してから再び投入します。通常は電源が戻ると、出力はセットポイントに復帰します。しかし、アークが多すぎる場合は、電源装置があまりにも頻繁に電源を遮断するために、実際に供給される電力がセットポイントを下回ってしまいます。この可能性がある場合は、その解決策として、アークパラメータを確認し、そのプロセスにおいて適切な設定値になっているかどうか確かめてください。また、評価したプロセスパラメータをKenにご連絡いただければ、詳しく助言させていただきます。