FAQ

Sputtering Applications

  1. ターゲット材料についてひとつ質問があります。プロセス電源装置にRF電源を使うべきか、それともAC電源またはDC電源を使うべきかはどのように判断したらいいでしょうか。
  2. それでは、AC電源とDC電源はどのように選んだらいいでしょうか。
  3. ストレートDC電源、パルスDC電源のどちらが当社のプロセスに適しているかについては、どのように判断したらいいでしょうか。
  4. どれくらいのスパッタリングレートが実現可能でしょうか。
  5. 当社のスパッタリング装置のメニューシステムでアーク設定点を目盛りのどの位置に合わせたらいいでしょうか。
  6. 当社のスパッタリングレートはずっと一定でしたが、今日になって突然変わった原因がわかりません。
  7. プレーナ(平面型)ターゲットとローテイタブル(回転型)ターゲットの利用率はどう違いますか。
  8. プレーナターゲットとローテイタブルターゲットでは、ターゲット寿命全体に影響を及ぼす侵食パターンにどのような違いがありますか。
  9. 一般にはパルスDC電源とAC電源を使って製造するとストレートDC電源より薄膜品質が向上するということでしたが、薄膜品質には実際にどのような違いがあるのでしょうか。
  10. スパッタリングレートを最適化するには、どのような方法を取るといいでしょうか。
  11. HPPMSと呼ばれる次世代の技術を使えば極めて平坦性の高い均質な薄膜を生産できるが、この技術はまだそれほど広く普及していないと聞きました。既存の設備を使ってこれと同じような結果をもたらす代替技術はありますか。
  12. プロセスを設定しようとしていますが、RF電源装置について質問があります。電圧モード、電力モードでそれぞれプロセスを運転する得失を教えてください。電圧固定モードで運転するのと同じ薄膜特性が電力固定モードでも得られますか(匿名希望)。
  13. マグネトロンカソードを1個使って光学アプリケーション用のTiO2(酸化チタン)薄膜を作る方法を探しています。目標は、パルスDC電源を使ってTiO2薄膜を作ることです。基板は最高350℃まで加熱し、プロセスガスには酸素(O2)とアルゴン(Ar)を使おうと考えています。密度が高い良質の薄膜を高い成長率で生産するためのパルスDC電源と最適なプロセスパラメータを奨めていただけないでしょうか。TiO2薄膜で可能な成長速度は最高でどれくらいですか。また、SiO2(二酸化ケイ素)薄膜についてはどうでしょうか(Atul Nagras)。
  14. 当方のデュアルマグネトロンシステムは、チャンバ内にDC電源を置くだけのスペースがありません。何か良い方法はないでしょうか。
  15. RF重畳DC電源の設定は複雑と聞きました。主にどのような落とし穴に気をつけるべきでしょうか。

Flat Panel Display Applications

  1. 使用しているFPDプロセスにパルスDC電源が適しているかどうかは、どのように判断したらいいでしょうか。
  2. パルスDC電源を使う場合、電圧反転中にスパッタリングが起こらないとスパッタリングレートに影響しますか。
  3. 封止層の品質を向上させることによって、OLEDの寿命を伸ばせるような技術はありますか。
  4. OLEDその他の最新型プロセスの開発は、どこで支援してもらえるでしょうか。
  5. どのような既存技術を使えば、FPDにとって有利でしょうか。
  6. パルスDC電源の利点はすばらしいと思いますが、スパッタリングレートが心配です。パルスDC電源はパルス反転中にスパッタリングエネルギーを奪いませんか。
  7. AEのVFP(バーチャルフロントパネル)を使って電源装置を監視制御していますが、VFPがプロセス開発の役に立つことがありますか。
  8. I経験上、大幅なプロセス改善をもたらす簡単または安価な方法が何か見つかったことはありますか。
  9. 当社のPVDプロセスの生産性をできるだけ高くして維持するのに苦労しています。どちらに相談すればいいでしょうか。
  10. FPD製造の収益性を高めるために業界で変えていく必要がある推進要因について、何か良い見通しはありませんか。  
  11. 『フラットパネル・フォーカス』2007年第4四半期号でCEX(位相同期)について説明していました。正確にいうと、これは何のためのものですか。
  12. AC電源装置にはCEX機能を搭載しているものとそうでないものがありますが、その理由は何ですか?
  13. 私の電源装置にはCEXが搭載されています。適切な設定方法を教えてください。
  14. 私の電源装置ではセットポイントに達しません。その原因と対策を教えてください。

 

Solar Applications

  1. AEのソーラー製品を使い始めてまだ日が浅いのですが、PV製造に使われるAE製品にはどのようなものがありますか。
  2. 創業したばかりの当社では、一度に大量の設備を注文しなければなりません。AEは、当方が必要とする全設備を短い納期で供給することができますか。
  3. 真空製造プロセスを選択すべき理由は何でしょうか。たとえばプリンティングや蒸着など利用可能な他のPV製造方法に対して、どのような技術的優位性がありますか。
  4. CIGS製造プロセスを担当していますが、最終段階で製造するレイヤーはTCOです。TCOプロセスの温度をコントロールすることで、その下のアクティブレイヤーの劣化を避けたいのですが、何か良いヒントはありませんか。

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  1. ターゲット材料についてひとつ質問があります。プロセス電源装置RF電源装置を使うべきか、それともAC電源 または DC電源を使うべきかはどのように判断したらいいでしょうか。
    答:  RF電源装置を使う必要があるかどうかは、ごく普通の抵抗計があれば簡単に判断することができます。抵抗計の2本のリードをターゲット表面の任意の場所 に当ててください。抵抗計が無限(∞)示した場合、そのプロセスにはRF電源装置が必要です(たとえば、純粋なアルミニウム製ターゲットでは無限を表示し ます)。一方、抵抗計が無限以外を示した場合は、AC電源 または DC電源を使いましょう。
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  2. それでは、AC電源とDC電源はどのように選んだらいいでしょうか。
    答: この場合は少し注意を要します。そのプロセスがバッチプロセスなら、DC電源またはパルスDC電源で 十分でしょう。ここで気になるのは、プロセス実行中のアノード消失の問題です。DC電源を使ってSiO2の反応性スパッタリングを行う場合は、アノード (フローティングまたはチャンバ)によって、しばらくするとSiO2絶縁膜が形成されます。この絶縁膜は、電子が電源装置に戻ろうとする流れを阻止します (+リターン)。すると、プロセス電圧が上昇し、大きなアークの発生と電力の低下によってプロセス性能が低下し、最後には使えなくなってしまいます。ここ でカギとなるのは、プロセスの持続時間と加工したい材料の量を知ることです。そのためには、使用しているチャンバの形状とスパッタリングプロセスを綿密に 理解し、熟知しておく必要があります。アノードを長期間クリーンな状態に保っておくには、ちょっとしたおもしろいコツがあります。パルスDC電源を使うの もそのひとつです(それ以外については後述)。

    絶縁材料を何日間、何週間にもわたってスパッタリングしなければならないインラインプロセ スでは、答えは単純明快です。この場合はAC電源が最適です。短所は、第2のカソードの購入、設置、保守が必要になることです。AC電源を使うことによっ て、平坦性、ピンホールの抑制、パッキング密度の向上を含めて、薄膜品質が向上します。
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  3. ストレートDC電源、パルスDC電源 のどちらが当社のプロセスに適しているかについては、どのように判断したらいいでしょうか。
    答: つ ねに優れた薄膜品質を生み出すのはパルスDC電源ですが、ストレートDC電源のほうがいくらか経済的です。とはいえ、最初からパルスDC電源を導入すれ ば、新たに高価なカソードを購入しなくても済みます。パルスDC電源を使えば、薄膜の平坦性、パッキング密度、透過率が向上するとともに、ピンホールの発 生を抑えることができます。
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  4. どれくらいのスパッタリングレートが実現可能でしょうか。
    答: その答えは装置構成によって変わってきます。つまり、動的に変化します。スパッタリングレートは次のような要素によって決まります。
    • チャンバの形状およびカソード/アノードの設計  
    • 動作圧力  
    • ガスの組成  
    • ターゲットの厚さ  
    • 磁場の強さ  
    • 動作電源 
    • ターゲットと基板の距離

    そ れを前提に申し上げると、レートの設定は1秒当たり2~10 Å程度になるでしょう。正直なところ、スパッタリングシステムの最適化は、芸術と科学の両方の要素があります。それは、コスト、スパッタリングレート、薄 膜品質の間で兼ね合いを図ることです。本当のカギとなるのは、使用しているチャンバの形状とスパッタリングプロセスを綿密に理解し、熟知しておくことで す。初期設定レートを実際のプロセスよりも長めに設定して、使用するチャンバとプロセスのクセを知るようにしましょう。まず低出力をかけて初期レートで運 転し、その後、作業ごとに出力を少しずつ上げていくことで、現実のプロセスに何が期待できるかがわかります。
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  5. 当社のスパッタリング装置のメニューシステムでアーク設定点を目盛りのどの位置に合わせたらいいでしょうか。
    答: この質問もすぐに答えられたら、有名な金持ちになれるでしょう。これもまた、次のようないくつかの変数によって変わってきます。
    • ターゲット材料と厚さ
    • カソードの大きさ
    • 動作電圧(ガスの組成、磁場の強さ、ならびにチャンバ圧力による影響を受ける)

    通 常なら、アークトリップ設定点として、動作電圧の10%を推奨します。ただし、ターゲットが大きいほど、アークエネルギーが全体に分散するのに時間がかか るので、その場合はオフタイムを長く取る必要があります。ターゲットの表面積が大きければ大きいほど、アーク管理のオフタイムを長くしてください。
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  6. 当社のスパッタリングレートはずっと一定でしたが、今日になって突然変わった原因がわかりません。
    答:  回答に先立って、次のことを考えてみましょう。前回のシステム操作で最後に行った手順は何でしたか。十中八九はこれで答えが見つかるはずです。それでもまた答えが出ない場合は、次の点を調べてみましょう。
    • いつもよりもアークが多く見えていませんか。
    • プラズマの色が変わっていませんか。
    • 電源装置の電圧と電流が変わっていませんか。
    • いつもと同じベース圧力にすることができますか。
    • いつもと同じガス流量で、同じプロセス圧力が得られますか。
    • 立ち上がり試験のレートに同じ時間をかけていますか。

    上記を全部調べてみると、チャンバのどこかに漏れが見つかることがあります。また、チャンバの清浄度に関係していることもあります。これらの問題については、改めて詳しく検討しましょう。
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  7. プレーナ(平面型)ターゲットとローテイタブル(回転型)ターゲットの利用率はどう違いますか。
    答: 平均的には、プレーナターゲットの利用率が約35%であるのに対し、ローテイタブルターゲットのそれは約85%です。これらの数字は、使用しているプロセス電力方式またはターゲット材料によって左右されません。ただし、回転式カソードは、RF電源装置には使えません。回転式カソードは一般に、AC電源、DC電源もしくはパルスDC電源プロセスに適しています。
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  8. プレーナターゲットとローテイタブルターゲットでは、ターゲット寿命全体に影響を及ぼす侵食パターンにどのような違いがありますか。
    答: プ レーナターゲットとローテイタブルターゲットでは確かに侵食パターンが異なりますが、ターゲットの寿命全体にわたって、プロセスの取扱方法にはほとんど違 いがありません。ローテイタブルターゲットでは、ターゲットの厚さが均一に減少するために、マグネットがターゲット表面に接近する原因となります。その結 果、電流が上昇し電圧が低下します。それに対して、プレーナターゲットの侵食パターンは均一ではなく、この場合は電流の低下と電圧の上昇が認められます。
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  9. 一般にはパルスDC電源とAC電源を使って製造するとストレートDC電源より薄膜品質が向上するということでしたが、薄膜品質には実際にどのような違いがあるのでしょうか。
    答: 下の写真は、薄膜品質の違いが最も大きく現れた例です。

    Film quality produced by straight DC power

    ストレートDC電源(上)とパルスDC電源(下)によって製造された薄膜品質
    情報出所:最先端材料・表面工学センター(英国ソルフォード大学)


    Film quality produced by pulsed DC power





    Film quality produced by straight DC power

    ストレートDC電源(上)とAC 電源(下)によって製造された薄膜品質

    Film quality produced by AC power
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  10. スパッタリングレートを最適化するには、どのような方法を取るといいでしょうか。
    答: このご質問に対する答えは、前回のこのコラムでお答えした「どれくらいのスパッタリングレートが実現可能でしょうか」という質問の良いフォローアップになります。

    ご く大まかにいえば、圧力が低いほど、スパッタリングレートと薄膜品質は向上します。その理由は、プラズマ内の分子衝突が少ないほど、プラズマの照射距離 (スパッタリングされた粒子がターゲットから基板まで到達する能力)が長くなるからです。つまり、できる限り最小限の圧力でスパッタリングができれば最も 良いのですが、ガス欠乏状態に陥ると電源装置に問題が発生する原因となりますので、当然ながらそれは避ける必要があります。

    実 行できる第二の対策は、ガウスメーターによりお使いのマグネトロンのバランスをチェックすることです。マグネトロンのバランスが取れていないと、プラズマ の照射距離が広がって電子が過剰に発生するため、基板の熱と薄膜品質に影響を及ぼします。マグネトロンのバランスが取れていれば照射距離が合って、特にカ ソードと基板の距離が大きい場合のスパッタリングレートに有効です。
    Unbalanced magnetrons




    マグネトロンのバランスが取れていない場合(上)と取れている場合(下)




    Balanced magnetrons

    第 三の対策は、マグネットの強度をチェックすることです。マグネットの強度が高いほど、プラズマの照射距離は大きくなります。ここでひとつ注意すべき点は、 その結果としてスパッタリングレートと薄膜パッキング密度が大きくなる一方、マグネットの強度が高いほどターゲット材料のグルーブが深くなり、利用率が減 少します。

    とはいいながら、スパッタリングレートは様々な様相を持つ複雑な問題には違いありません。個々の状況をお知らせいただければアドバイスできますので、どうぞお気軽に電子メールでお問い合わせください(宛先:tech.support.japan@aei.com)。
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  11. IHPPMSと呼ばれる次世代の技術を使えば極めて平坦性の高い均質な薄膜を生産できるが、この技術はまだそれほど広く普及していないと聞きました。既存の設備を使ってこれと同じような結果をもたらす代替技術はありますか。
    答:  幸い、HPPMS(high-power, pulsed magnetron sputtering、高出力パルスマグネトロンスパッタリング)と同じレベルの平坦性を実現する技術はすでにあり、簡単に利用できます。この技術は、 RF電源、パルスDC電源の2つの電源方式を組み合わせたものです。もうひとつおまけに、これはまだ比較的新しい方法ですが、RF重畳パルスDC(RF- superimposed pulsed DC)と呼ばれるスパッタリング技術もかなり前から開発されていて、すでにある程度利用できる程度の情報が集まっています。この方法について詳しくは、 AEの「電源装置選択マトリクス」ならびに当社の「RF重畳DCプロセスにおけるアーク抑制」アプリケーションノートをご参照ください。
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  12. プロセスを設定しようとしていますが、RF 電源装置について質問があります。電圧モード、電力モードでそれぞれプロセスを運転する得失を教えてください。電圧固定モードで運転するのと同じ薄膜特性が電力固定モードでも得られますか(匿名希望)。
    答: 私ならその場合は電力制御モードを使います。それによって、電源装置側から負荷が「見える」ようになり、プロセスに何らかの異常が起きた場合でも、電圧 (V)と電流(I)を調整する余地が双方に生じるからです。電源装置を電圧制御モードで運転している場合は、それに応じて電力(P)と電流(I)が調整さ れます。負荷を厳密に制御できている場合なら、それで問題は起きません。ただし、負荷が少しでも変わる場合は、電力(P)と電流(I)も変わってしまいま すから、プロセスが仕様から簡単に外れてしまいます。ご成功をお祈りします。
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  13. マグネトロンカソードを1個使って光学アプリケーション用のTiO2(酸化チタン)薄膜を作る方法を探しています。目標は、パルスDC 電源を使ってTiO2薄膜を作ることです。基板は最高350℃まで加熱し、プロセスガスには酸素(O2)とアルゴン(Ar)を使おうと考えています。密度が高い良質の薄膜を高い成長率で生産するためのパルスDC電源と最適なプロセスパラメータを奨めていただけないでしょうか。TiO2薄膜で可能な成長速度は最高でどれくらいですか。また、SiO2(二酸化ケイ素)薄膜についてはどうでしょうか(Atul Nagras)。
    答: 私ならPinnacle® Plus DC/パルスDC電源を使います。AEは5 kWと10 kWの2機種を用意しています。選択すべき機種はターゲットの大きさによって決まります。適度な冷却オーバーヘッドをとって、私の場合は単位面積(1平方 インチ)あたり最大で100 W、通常で70 Wをだいたいの目安にしています(連続運転の場合)

    完全な酸化物状態のTiO2 成長にはかなり時間がかかります。その成長速度は、ターゲットから基板までの距離、圧力、磁力の強さなど、チャンバ内の様々な要素によって左右されます。 ですから、うまい手順を知っておく必要があります。成長速度は、ごく大まかにいえば、3~5 Å毎秒といったところです。同じ電源装置をSiO2に使った場合では、5~8 Å毎秒くらいになると思います。

    スパッタリングレートについて詳しくは、『スパッタ・スポットライト』2007年第1四半期号でお答えした「どれくらいのスパッタリングレートが実現可能でしょうか」と2007年第3四半期号でお答えした「 スパッタリングレートを最適化するには、どのような方法を取るといいでしょうか」への回答もご覧ください。さらに詳しい助言が必要でしたら、どうぞお気軽に電子メールでお問い合わせください(宛先:tech.support.japan@aei.com)。
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  14. 当方のデュアルマグネトロンシステムは、チャンバ内にDC電源を置くだけのスペースがありません。何か良い方法はないでしょうか。
    答: 選択肢は大きく分けて2つあります。RASを 使うか、または、RF重畳DC電源(RF/DC)を使います。この場合、RASを使う方法はお奨めしません。というのは、高圧アノードを追加するためには 真空チャンバに穴を開ける必要があって、それが極めて複雑な作業になり、労力もかかるからです。一方、RF/DC電源ならRASほど追加作業が複雑になら ず、カソードを1個追加するだけで済みますし、プレーンDC電源ほどスペースも取りません。コスト面で見ると、多少のトレードオフはあります。RF/DC 電源は、電源装置が2個(RF装置とDC電源またはパルスDC電源)必要になるため、初期投資がより高くつきます。しかし、カソードを1個しか使いません から、消耗品のコストは節約できます。
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  15. RF重畳DC電源の設定は複雑と聞きました。主にどのような落とし穴に気をつけるべきでしょうか。
    答:  2種類の異なる電源装置を同時に運転するわけですから、RF/DC電源を使う場合は、アーク抑制の適切な設定が成功の鍵を握ります。

    DC 電源またはパルスDC電源のほうがRF電源よりも正確にアークを発見して反応します。そこで、DC電源がRF電源をコントロールして、アーク発生時に電源 を両方とも遮断しなければなりません。また、アークが消滅したらただちに電力を戻せなければなりません。今日の市場に出回っているDC電源は、この点にお いて様々に異なります。DC/RFコントロール機能をまったく搭載していない機種もあれば、強力にコントロールできる機種もあります。たとえば、当社製 Pinnacle® Plus+ DC電源装置なら、搭載しているArc-Sync™技術により、接続されたCesar® RF電源をうまくコントロールしてアークを抑制することができます。

    RF/DC電源の設定に際しては、ケーブル配線やフィルター/コンバイナーの利用など、このほかにもいくつか留意すべき問題点があります。詳しくは当社発行の アプリケーションノート「RF重畳DCプロセスにおけるアーク抑制」をご覧ください。
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Flat Panel Display Applications

  1. 使用しているFPDプロセスにパルスDC電源が適しているかどうかは、どのように判断したらいいでしょうか。
    答: アーク発生による損傷に非常に弱いプロセスを使っている場合は、パルスDC電源は確かに有効です。誘電体表面の電荷蓄積は、どのターゲットにも固有の現象です。パルスDC電源は、電圧を一定間隔で反転してこの蓄積を打ち消し、PVDプロセスで起こりやすいアーク損傷を防ぐ効果があります。

    パルスDC電源はストレートDC電源と比べて、薄膜品質、コスト節約ならびに歩留まりにおいて、ほとんどつねにそれを上回る結果を生み出します。ピンホール不良の発生が少なく、抵抗を減らすことによって電気的特性も向上します。さらに、薄膜品質にマイナスの影響を及ぼすことなく、ターゲット利用率を向上させて低価格のターゲット材料を使えるようにします。これによって、プロセスの生産性とスループットが飛躍的に向上します。

    既設のDC電源PVDプロセスには、AEのPulsar™のようなアクセサリを組み込むことによって、価値あるこのパルシング機能を既存のシステムに簡単に追加することができます。
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  2. パルスDC電源を使う場合、電圧反転中にスパッタリングが起こらないとスパッタリングレートに影響しますか。
    答: 影響はあってもごくわずかです。 AE独自技術のパルスDC電源トポロジーが、電圧反転時のエネルギー蓄積を可能にします。ここで蓄積されたエネルギーは、その直後のスパッタリングで放出されます。したがって、平均供給電力は同種のDCスパッタリングプロセスに匹敵します。

    とはいえ、スパッタリングレートは複雑であり、しかも次のような多くの変数による影響を受けます。
    • チャンバの形状およびカソード/アノードの設計
    • 動作圧力
    • ガスの組成
    • ターゲットの冷却
    • ターゲットの厚さ
    • 磁場の強さ
    • 動作電源
    • ターゲットと基板の距離


    スパッタリングシステムの最適化は、芸術と科学の両方の要素があります。それは、コスト、スパッタリングレート、薄膜品質の間で兼ね合いを図ることです。本当のカギとなるのは、使用しているチャンバの形状とスパッタリングプロセスを綿密に理解し、熟知しておくことです。パルスDC電源がプロセスに与える影響を完全に理解するには、初期設定レートを実際のプロセスよりも長めに設定して、使用するチャンバとプロセスのクセを知るようにしましょう。システム特性を把握するには、まず低出力をかけて初期レートで運転し、その後、作業ごとに出力を少しずつ上げていくことで、現実のプロセスに何が期待できるかがわかります。
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  3. 封止層の品質を向上させることによって、OLEDの寿命を伸ばせるような技術はありますか。
    答: 薄膜封止技術は、空気や水分を遮断する障壁を作ることによって、OLEDの耐用年数を大幅に向上させます。フレキシブルポリマーのように、現在検討されている各種の基板は液体や気体による浸透を被ることがあるので、この障壁層はフレキシブルディスプレイには特に大きな利点があります。薄膜品質が不十分だと、水や空気が基板を通して拡散するために、有機層が汚染されることがあります。

    この障壁を作るには、ピンホールがなく、かつ薄膜密度や透明度などの目標レベルを達成するために、そのアプリケーション向きの適切な薄膜特性を持たせることが不可欠です。各種のプラズマプロセスでエネルギーを制御して、効果的な封止に必要な薄膜特性の向上を実現することができます。

    AEには、アークが原因で発生するピンホールを防ぐアーク管理機能を備え、適切なエネルギーレベルを実現できる製品群があります。AEではDC電源、パルスDC電源 ならびにRF電源など、最新式のアプリケーションに見られる問題を解決できるように設計された多彩な製品群を取り揃えております。詳しい情報は電子メールでお問い合わせください(宛先: tech.support.japan@aei.com)。
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  4. OLEDその他の最新型プロセスの開発は、どこで支援してもらえるでしょうか。
    答: 隣接分野である薄膜市場における経験が、FPDプロセスの技術革新に大きく役立ちます。発光効率の改善に向けた努力、フレキシブルディスプレイ(OLED)やデジタルサイネージのような新型デバイスの導入が、最終製品のコスト削減を可能にするさらに進んだ最新製造プロセスの必要性を生み出します。下の表は、近い将来のFPD製造と現在の薄膜プロセス隣接分野との一般的な類似点を比べたものです。

    次世代全FPDデバイス セミコンダクタ 極めて精密なプロセス
    フレキシブルディスプレイ フレキシブルディスプレイ 柔軟基板
    非常に高いスループット
    低温プロセス
    大型ディスプレイ 建築用ガラス 大型基板
    装置ソーシング方法
    電力要件の向上
    OLEDs ソーラーPV 製造作業設計[1]
    技術革新

    [1] 電気を光に変換するOLEDとは逆に、ソーラーPVは光を電気に変換します。つまり、この両アプリケーションには、材料、装置、プロセス、手順において極めて高い類似性があります。これらの共通点の例には、透明導電酸化物、導電体、封止層などがあります。封止について詳しくは上記の質問 をご覧ください。



    このような薄膜産業のすべてを包括する専門知識はどこで見つけられるでしょうか。AEは、過去36年以上にわたって、精密なプラズマプロセスを実現する技術革新に努めてきました。隣接分野の薄膜アプリケーションすべてに経験を持つ当社は、お客様のプロセス開発に向けた努力をお手伝いできる貴重なパートナーになれるでしょう[2] 。

    プロセス設計が完成したら、AEは現場でのシステム統合作業もお手伝いできます。in-situ(現場)で広範な試験を行って、新設の設計システムが問題なく稼動することを確認します。初回受入試験(IAT)を少なくして最終受入試験(FAT)だけを実施する今日のエンドユーザー現場の傾向を考えると、このことは極めて重要な意味を持ちます[2] 。

    具体的のアプリケーション開発作業について何かご質問がありましたら、当社でご相談に預かります。どうぞ電子メールでお気軽にお尋ねください(宛先: tech.support.japan@aei.com)。

    [2] ご利用いただけるAEサポートオプションについては、担当の装置サプライヤーにお問い合わせください。

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  5. どのような既存技術を使えば、FPDにとって有利でしょうか。
    答: 製造技術面から見ると、今日のFPD市場は実際、初期のセミコンダクタ産業よりも有利な条件にあります。セミコンダクタの開発には出発点とすべき基礎技術がありませんでしたが、FPDはセミコンダクタの製造装置と方法に学ぶことができました。つまり、FPDは、開発が高度に進んだ強力な製造技術から出発することができました。そのおかげで、他の産業に比べて急速な発展を遂げることができました。FPD市場の成熟に伴って、他の市場の既存技術も継続的に応用されています。

    FPD製造市場に利点をもたらしている技術には、次のようなものがあります。



    技術

     
    利点
    アーク管理 基板損傷の減少(ピンホール)
    歩留まりの向上
    電力レベルの上昇によりスループットを向上
    マッチングネットワーク技術 電力供給精度と効率の改善によって、薄膜品質および歩留まりが向上
    精密な電力供給 歩留まりの向上
    精密なサブシステム制御・監視機能 プロセス操作、技術革新の容易化
    プロセスの生産性および歩留まりの向上
    稼働時間(アップタイム)の延長
    パルスDC電源 薄膜品質および歩留まりの向上
    材料コストの削減

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  6. パルスDC電源の利点はすばらしいと思いますが、スパッタリングレートが心配です。パルスDC電源はパルス反転中にスパッタリングエネルギーを奪いませんか。
    答: お使いになる電源装置の品質によります。低品質の電源装置は、パルス反転中にスパッタリングエネルギーの損失を生じるので、スパッタリングレートは間違いなく低下します。しかし、AE製の電源装置は、パルス反転中もスパッタリングエネルギーを蓄積します。このエネルギーはその後のパルス中に使われるので、スパッタリングレートとスループットは維持されます。

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  7. AEのVFP(バーチャルフロントパネル)を使って電源装置を監視制御していますが、VFPがプロセス開発の役に立つことがありますか。
    答: はい、役に立ちます。 VFPを使ってプロセスを操作し、その結果をパソコンで見ることができます。実際には、新しいレシピを試すのに生産ツールの近くにいる必要さえありません。Ethernetネットワークに接続して遠隔操作・監視することができます。システム起動時またはR&Dモードでは、指定されたプロセス条件をあるツールでエミュレートするのと同時に、新しいレシピを書くこともできます。たいへん便利で柔軟なこの機能を使えば、高価なツールを使う必要も少なくなります。VFP機能を提供しているAE電源装置は数種類あります。詳しくは当方までお尋ねください

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  8. 経験上、大幅なプロセス改善をもたらす簡単または安価な方法が何か見つかったことはありますか。
    答: 思い浮かぶ方法はいくつかありますが、ここではよくある問題をひとつだけ考えましょう。それは、ケーブルの長さと品質です。アーク発生とアーク損失を抑制する方法のひとつは、電源装置とカソード間のケーブルを調べることです。ケーブル内には誘導エネルギーが蓄積されますが、それに使われるケーブルには、それぞれ固有の単位長さ(メートル)当たりインダクタンスがあります。ケーブルを短くして、インダクタンスが低いケーブルを使用することによって、電源装置・ケーブル・カソードで構成されるシステム内に蓄積されるエネルギーを低減させることができます。これによって、アーク発生時に供給される電力が減少します。したがって、電源装置とカソードを結ぶケーブルは、できるだけ短く、インダクタンスが低いものを使用しましょう。

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  9. 当社のPVDプロセスの生産性をできるだけ高くして維持するのに苦労しています。どちらに相談すればいいでしょうか。
    答:  FPD産業がスループットと歩留まりの向上にこれほど努力を傾注している現状では、現有のPVDプロセスで最大限の成果を引き出すことが不可欠です。アプリケーションやプロセスの開発過程で、AEはOEM先とチームを組んでお客様の最新技術の最適化を支援します。総合力があってサポート対応の良い装置サプライヤーを選べば、新たな技術が利用可能になると同時にお客様のシステムも成長します。

    装置サプライヤーのサポートに含まれていたほうがいいと思われるものは次の通りです。
    • アプリケーションサポート[1]—AEは、当社が貢献している産業から専門家を採用することで、そのプロセスに関連する機会をサポートしています。その経験を活かせるAEの設計チームはさらに製品開発を進められるので、この活動は現在および将来にわたってお客様にも大きく利することになります。
    • プロセス改善製品[1]—お使いのプロセスは、スループット、歩留まり、コスト効率の面で十分な可能性を引き出しているでしょうか。AEの豊富な製品群をご利用いただければ、カスタマイズによる最適化の機会を十分に活用することができます。これによって確実に、お客様のプロセスに最適な製品を受け取ることができます。
    • 製品修理サービス[1]—AEは、世界各地の主要製造分野すべてをカバーする便利なフルサービスセンターを提供しています。豊富な知識を持った当社の従業員が、専門家らしいサービスを迅速に提供します。
    • 製品アップグレードサービス[1]—製品の継続的改善は、AEとお客様が成功するための重要な鍵となります。当社は、お客様の製品の寿命と性能を伸ばすための改善を提供しています。

    [1] お客様の製品に適用されるAEサポートオプションについては、担当の装置サプライヤーにご確認ください。
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  10. FPD製造の収益性を高めるために業界で変えていく必要がある推進要因について、何か良い見通しはありませんか。
    答:  現在の市場状況は確かに満足できるものではありません。消費者がもっと多くFPDを買い始めないと、あるいは製造コストが大幅に下がらないと、この事業はいましばらく、満足するにはほど遠い利益水準に甘んじると思われるかもしれません。しかし、楽観的になるだけの十分な理由があります。第一に、FPD技術に対する消費者の関心が強く、それゆえに成長の可能性がたいへん大きいこと。それでも、この可能性が現実の利益に結びつくためには、少なくともあと少しは変化が起こる必要があります。

    草創期の半導体産業は、今日のFPD市場にとてもよく似ていました。消費者の関心は高かったのに、売上は低迷していました。半導体産業がその苦境を克服して売上高の拡大を達成し、最終的に業界に持続的な収益をもたらすために、どのような方法を取ったでしょうか。生産性の向上、材料費の適正化など、その要因はいくつかありました。そのような努力が最終製品のコスト削減に結びつき、市場普及率の上昇と消費者需要の拡大を実現しました。

    今日のFPD産業にも、かつての半導体産業がたどった足跡と同じような傾向が見られます。エンタテインメントをたいへん好む消費者が、今では不十分と感じるようになったブラウン管技術に代わってFPDを買うようになりました。どの大手コンピュータメーカーも、もはやFPDを高級品と見なすことはなく、その大部分は新しいシステムにFPDを標準装備しています。業界内の提携によってコスト削減がさらに進み、利用と販路の拡大を実現しています。これらはいずれも、市場の状況が好転しつつあり、その傾向が今後も続くことを示す兆候です。
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  11. 『フラットパネル・フォーカス』2007年第4四半期号でCEX(位相同期)について説明していました。正確にいうと、これは何のためのものですか。
    答:  CEXはcommon exciter oscillator(共通励磁発振装置)を略したもので、同一チャンバ内の複数の電極またはカソードに接続された複数の電源装置の接続に使われます。 CEXを使うことによって、プラズマを効率よく抑制し、電極間またはカソード間のクロストークによって効果が低減する可能性を緩和することができます。こ のようなクロストークは、ターゲットの損傷、基板のアーク発生、もしくは基板の損傷を引き起こす可能性があります。また、結果的に電源装置に損傷を与える 可能性もあります。さらに、望ましい電源レベルへの到達を阻み、スループットを低下させることもあります。

    フラットパネルディスプレイ(FPD)建築用ガラスの製造によく使われるほか、ソーラーPVアプリケーションでさらによく使われている大型基板の製造では、チャンバひとつで1ダース以上のカソードが必要になることもあります。これらをすべてチャンバひとつに収めるには、カソード間の間隔を狭くする必要があります。PEII電源装置のCEXのような機能を使って間隔の狭いターゲット同士をうまく同期させないと、電位差が発生して相互に干渉する原因となります。この干渉がクロストークと呼ばれるもので、前述したようにプロセス、薄膜、装置に重大な問題を引き起こすおそれがあります。

    PEII低周波電源装置のユニークなCEX機能の利用に関する説明は、当社発行のアプリケーションノート「インライン・スパッタリング・システムの強化型プラズマ抑制」(Enhanced Plasma Containment for Inline Sputtering Systems)をご覧になって、プロセス制御、薄膜品質、アップタイムを大幅に改善する交流カソード構成を工夫してください。
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  12. AC電源装置にはCEX機能を搭載しているものとそうでないものがありますが、その理由は何ですか?
    答:  AC電源装置には周波数固定型と可変型があります。CEXを使って複数のAC電源装置を同期させるには、それらの電源装置の出力周波数はすべて等しくな ければなりません。したがって、AE製PEII電源装置のような固定周波数AC電源装置であれば、CEXはとても簡単に利用できます。しかし、AE製Crystal®電 源装置のように可変周波数AC電源装置を使う場合、その出力周波数は負荷インピーダンスによって決まり、さらにプロセス条件によっても変わってきます。つ まり、チャンバ内の各電源装置に固有のインピーダンスによりそれぞれ個別に周波数が決まる可能性があります。そのため、CEXまたはそれ以外の位相同期機 能を使って複数の可変周波数電源装置を同期させるのは、この場合は当然ながら不可能です。

    CEXが持つ利点は、周波数固定AC電源を使うプロセスに限られないので注意してください。Pinnacle® Plus+パルスDC電源は、Pulsar™およびSparc-le® V DCパルシングアクセサリと同様に、CEXを搭載して複数のパルスDC電源の出力を同期させることができます。これによって、AC電源装置について前述し たように、パルスDC電源でもプラズマ抑制とクロストーク緩和の効果をもたらすことができます。CEXはこのほか、一部のAE製RF電源装置でもご利用いただけます。
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  13. 私の電源装置にはCEXが搭載されています。適切な設定方法を教えてください
    答: CEXの設定は下図のように、ひとつの装置のCEX/ドライブ出力ポートから別の装置のCEX/ドライブ入力ポートに接続するだけで簡単にできます。ただし、最後の装置のCEX/ドライブ出力コネクタにはCEX終端プラグを挿入する必要があります。

    下の図は、CEX設備に適切に接続された複数のPEII電源装置のバックパネルを示しています。詳しくはお手元の電源装置付属のユーザーマニュアルをご覧ください。または、お問い合わせください、お客様独自のシステムに適したCEX設定に関するご質問にお答えします。また、CEXの利点および設定について詳しくは、当社発行のアプリケーションノート「インライン・スパッタリング・システムの強化型プラズマ抑制」(Enhanced Plasma Containment for Inline Sputtering Systems)も併せてご覧ください。

    図1. 接続されたPEII 電源装置に適したCEX設定
    図: 接続されたPEII 電源装置に適したCEX設定
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  14. 私の電源装置ではセットポイントに達しません。その原因と対策を教えてください。
    答:  統合型のシステムでは、供給電源がセットポイントを下回ると警告が出ますが、実験室内では、これが実際に成長薄膜を薄くする原因となります。お客様のシ ステムで発生している電源供給上の問題の原因はいくつか考えられます。第一に、お客様の電源装置で生じたインピーダンス不整合が原因で電圧または電流が制 限され、必要な電源が供給できていない可能性が考えられます。その解決策は、お客様のニーズにもっと適した電源装置を探すことです。この問題をできる限り 抑制するために、AE製電源装置はインピーダンス範囲を極めて広く取ってあります。また、Pinnacle Plus+ DC/パルスDC電源装置のように、機種によっては個々のお客様のニーズに合わせた特定のインピーダンス構成を提供し、high-Zまたはlow-Z構成で利用できます。

    も うひとつ考えられる可能性は、お客様が設定されたアークレートが高すぎることです。アークを消去するために、電源装置は電源をごく短時間遮断してから再び 投入します。通常は電源が戻ると、出力はセットポイントに復帰します。しかし、アークが多すぎる場合は、電源装置があまりにも頻繁に電源を遮断するため に、実際に供給される電力がセットポイントを下回ってしまいます。この可能性がある場合は、その解決策として、アークパラメータを確認し、そのプロセスに おいて適切な設定値になっているかどうか確かめてください。また、評価したプロセスパラメータをお問い合わせください、詳しく助言させていただきます。
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Solar Applications

  1. AEのソーラー製品を使い始めてまだ日が浅いのですが、PV製造に使われるAE製品にはどのようなものがありますか。
    答: どこからお話を始めればいいでしょうか。アモルファスシリコン、微結晶シリコン、CIGS、CdTeを含めて、AEは結晶シリコンウェハを使ったソーラー PVならびに大型薄膜技術向けソリューションを提供しています。この業界で最も包括的な製品群を取り揃えた会社のひとつとして、DC電源から 60 MHzまで各種の電源装置 、温度計測器、な ど、PV製造のあらゆる段階に適した効果的なソリューションを提供しています。当社の36年に及ぶ技術革新に基づいたソリューションに支えられて高度に発 達した設計と技術に裏付けられたこれらの製品は、精度の向上、不良の予防、スループットの増加を実現します。実際、ソー ラーPVの開発と製造に携わってきた数々の企業が、当社製品を選んできました。しかし、当社が提供するのは製品や技術だけに留まりません。専門家によるア プリケーションサポート、世界一流の製造施設、グローバルに展開した営業・サポートインフラなども整っています。

    詳しくはAEのソーラー市場ウェブページをご覧ください。

    表: ソーラーPV製造用AE 製品


    PV サブシステムカテゴリー
    お奨めしている製品 ソーラーアプリケーションの例 AE 製品の特長
    RF電源装置
    Cesar® 電源装置


    Apex® RF電源供給システム

    Navio™ デジタルマッチングネットワーク

    Navigator®デジタルマッチングネットワーク
    PECVD(a-Si用) 最新型の電源供給技術

    様々な周波数、電源レベル、機能に対応した豊富な品揃え

    最先端のアーク管理技術
    低/中周波電源装置
    PEII低周波電源装置


    Paramount®中周波電源装置

    Crystal® 中周波電源装置
    PVD(SiO2用)
    DC電源装置
    Ascent® DC DC電源

    Pinnacle® DC電源装置

    Pinnacle® Plus+ DC/パルスDC電源装置

    Pulsar™DCパルシングアクセサリー
    PVD(メタルバック接点用

    PVD(TCOフロント接点用)
    計測装置
    Sekidenko光ファイバー放射温度計(OFT)
    あらゆる製造段階 プロセスパラメータのユニークな洞察により画期的な最新型プロセスを開発

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  2. 創業したばかりの当社では、一度に大量の設備を注文しなければなりません。AEは、当方が必要とする全設備を短い納期で供給することができますか。
    答: 新しい薄膜製造プロセスが出現してから長い歳月を経てきたこの業界は今日、面白い段階に入ったところです。新興ソーラー市場で良い点のひとつとして、隣接 する既存の市場分野で開発された成果をすべて利用できることがあげられます。テクノロジーだけでなく、設備の製造・サポート用のインフラでも開発が進んで います。当社は、セミコンダクタFPD工業用コーティングな どの業界で進めてきた仕事を活かして大きな製造能力を開発することができました。当社は、たとえば30メガワット以上の新しいソーラー設備製造の注文でも 効率よくこなすことを目指して、世界一流のプロセス、施設、ベンダーその他必要なリソースを深圳(中国)にすでに確保しています。

    当社で は設備だけでなく、お客様の新しい製造作業を成功させるのに必要なサポートも提供しています。AEのアプリケーションエンジニアは、お客様のプロセス開 発、設定、最適化、トラブルシューティングをお手伝いできるようにいつでも備えています。当社のエンジニアは、多くの市場、製造方法、プロセス条件で長年 培ってきた経験を活かし、価値の高い洞察力と専門知識を提供します。

    世界の主要工業都市に営業・サービスオフィスを置くAEは、ソーラー 市場のように全世界的な工業分野に効率的に貢献するグローバルなインフラも整っています。たとえば、ヨーロッパのお客様には、最寄りの便利な地域にある現 地オフィスでお手伝いします。同様に、アジアに拠点を置くお客様の得意先には、ユーラシア大陸各地に多数展開した当社のオフィスから協力することができま す。

    図2. 新しいソーラー製造作業の大型設備ニーズに応えるために、深圳(中国)にあるAEの世界一流の製造施設では急速な拡張を進めています
    図: 新しいソーラー製造作業の大型設備ニーズに応えるために、深圳(中国)にあるAEの世界一流の製造施設では急速な拡張を進めています
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  3. 真空製造プロセスを選択すべき理由は何でしょうか。たとえばプリンティングや蒸着など利用可能な他のPV製造方法に対して、どのような技術的優位性がありますか。
    答: 今日のPV製造方法には、スパッタリング(PVD)、 PECVD、プリンティング、蒸着など様々な方法があります。しかし、PVDやPECVDのような真空製造プロセスには、他の方法ではまったく実現できな い絶対的な利点があります。具体的にいうと、PVDやPECVDは、原子レベルの制御を実現することにより、化学量論的組成、結晶性、基板全体の均一性な ど各種の薄膜特性のより精密な制御を実現します。また、PVDやPECVDを使えば、他の方法と比べて不良の発生を少なく抑えることができます。結局、こ の高度な制御レベルによって、今日のソーラーパネルメーカーにとって重要な二つの利点、つまりPV効率の向上とスループットの増加が実現することになりま す。

    図3. スパッタリング(PVD)プロセスの略式図。他のPV製造方法では、原子レベルでの製造作業が可能な真空製造プロセスの精度には敵いません。

    図: スパッタリング(PVD)プロセスの略式図。他のPV製造方法では、原子レベルでの製造作業が可能な真空製造プロセスの精度には敵いません。

    図 は、スパッタリングプロセスの原子レベルの挙動を示したものです。このプロセス(図左)の第一段階では、アルゴン原子がイオン化されます。加速された電子 は原子に非弾性衝突し、原子から電子が分離してアルゴン(Ar+)イオンを発生します。次に、スパッタリングプロセス(図中央)で、Ar+イオンが陰極 (カソード)表面に向かって加速されます。その衝突により、ターゲット材料を剥離させるのに十分なエネルギーが生じます。そして最終段階(図右)では、 ターゲット材料が基板表面に達し、そこで薄膜として成長します。スパッタリングについて詳しくは、当社発行の『スパッタ・スポットライト』(Sputter Spotlight®)電子ニュースレターもご覧ください。

    真 空製造プロセスを使うもうひとつの利点は、PVDやPECVDの分野では、PV製造に直接応用できる大量の専門知識や技術開発が蓄積されてきたことにあり ます。AEは、36年以上の豊富な経験に加え、他のサブシステムメーカーに比べて卓越したレベルの薄膜特性コントロールを可能にする高度に発達した包括的 な製品群を取り揃えています。たとえば、不良率を低く抑えられる当社製品を使うことによって、ソーラーセル効率が向上するだけでなく、より高出力の運転が 可能となり、その結果スループットが増加します。このような高出力の運転によって、大面積基板コーティングもうまくいきます。たとえば、(パッシブソー ラー市場向けのlow-Eコーティングを含む)建築用ガラス製造アプリケーションに必要なレベルの電力を長きにわたって実現してきた実績を誇る当社の Crystal® AC電源装置は、PV業界における基板サイズの拡大傾向にも適しています。詳しくは当社発行の報告書『大面積コーティング用品の設計側面』(Design Aspects of Large-Area Coating Supplies)をご覧ください。

    実 際のところ、FPDや建築用ガラスなど各種の工業用途大面積コーティングの分野でAEが持つ専門知識は、大面積PV製造にも直接応用することができます。 当社は、シリコンウェハの最初のアプリケーションであるセミコンダクタ産業はいうまでもなく、これらの隣接市場でも製品、技術、専門知識を磨いてきまし た。AEは、極めて高い製造精度が求められ、誤差がほとんど、またはまったく認められないセミコンダクタ製造の世界で経験を一から積み重ねてきたといって もいいでしょう。実際、セミコンダクタ製造はどの産業よりもプロセスウィンドウが狭いのです。つまり、当社の製品と技術は、精度という考え方を中心に設計 されており、その利点は、セル効率の向上およびプロセススループットの増加という形で、ソーラー市場でも活用することができます。
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  4. CIGS製造プロセスを担当していますが、最終段階で製造するレイヤーはTCOです。TCOプロセスの温度をコントロールすることで、その下のアクティブレイヤーの劣化を避けたいのですが、何か良いヒントはありませんか。
    答: お考えは正しいと思います。サーマルバジェット(熱履歴)は今日、様々な製造アプリケーションで対策が急がれている問題のひとつです。ここで読者の皆様の ために、その背景について少し説明しておきましょう。PV製造プロセスの大部分は、他のレイヤーに先立ってTCOレイヤーの成長を最初に行います。しか し、CIGS太陽電池(および一部の薄膜シリコン太陽電池)の場合、TCOの製造段階は最後になります。導電性が温度による影響を比較的受けないために コールドプロセスで成長させることができる金属レイヤーとは違って、TCOの導電性は熱による影響を強く受けます。十分な導電性を持たせるために、従来型 のTCOプロセスは高温下で行われます。そのため、TCO を最後に成長させるCIGSプロセスでは、先行するレイヤーすべてのサーマルバジェットを超過する可能性があるという問題があります。温度が超過すると、 TCOの下にあるアクティブレイヤー内部にドーパント拡散を引き起こし、PV性能が大きく低下する原因となります。さらに、温度による影響を受けやすい基 板の場合、従来型のTCO成長プロセスの温度条件下では、本当に融けてしまうこともあります。これは、フレキシブルポリマー基板特有の問題です。

    図4. a-SiまたはCdTe製パネルではTCO が最初に成長しますが、CIGSソーラーパネルではTCOレイヤーは最後に成長します。そのため、CIGS製造には熱の問題が伴います。

    図: a-SiまたはCdTe製パネルではTCO が最初に成長しますが、CIGSソーラーパネルではTCOレイヤーは最後に成長します。そのため、CIGS製造には熱の問題が伴います。

    そ れでは、対策を急ぐ必要があるように思われるこの状況に対する答えは何でしょうか。TCOの導電性を良好な状態に維持しながら、アクティブレイヤーの拡散 または基板の融解を引き起こさない温度範囲を実現する電源方式があります。この種の電源は、たとえばFPDカラーフィルター用の電極やタッチパネルプロセ ス用の透明導電体のように、温度管理が必要となるそれ以外のプロセスでも数々の成功実績がある標準的な方法です。温度の影響を受けやすいプロセスに効果的 なソリューションについて詳しくは当方までお問い合わせください
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